【孝明】

「あなたの呪いを解くためならば、私はどんな試練にも打ち勝ち、
　どんな困難をも乗り越えてみせましょう」

【孝明】

「どうか目を覚まして下さい、美しい……」

「美しい、姫」
そう言って、王子は眠り姫にキスをする。
それが、台本通りの展開。

【孝明】

「……史桜……」

え―――？

思わず目を開けそうになった。
でも、芝居の最中だって思い返して、ぎゅっと強く目を閉じる。