D.C.G.S.キャラクターブログ
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2008/10/27
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しばしのお別れ(稜平&航平)NEW
2008/10/24
言えなかった言葉とか(稜平)
2008/10/23
キオク(龍之介)
2008/10/22
いつか来る日(孝明)
2008/10/21
動揺(渓)
2008/10/20
purify(蒼)
四之宮 稜平&四之宮 航平
航平: こんにちは、航平です。約一ヶ月半のあいだ、少しでも僕たちのことわかってもらえて、好きになってもらえたらいいなあ、なんて思って続けてきたブログですが、いかがだったでしょうか? このブログで僕たちのこと、ちょっとでも「応援してみようかなあ」なんて気持ちになってもらえたら、僕もリョウも、すごく嬉しいです。 あ、もちろん蒼兄ちゃんや渓兄ちゃん、古城先生やポチくんも嬉しいって言うと思いますよ! すごーく残念なんですが、僕たちのブログはここで一旦、お休みになっちゃうそうです。
でももし皆さんがまた、「僕たちに会いたい!」って思ってくれたら、ブログ再開、 なんてこともある……かも?? というわけで、僕たちのこと、これからどうか可愛がって下さいね。 よろしくお願いします。 では、最後にリョウからご挨拶です。 稜平: へっ!? 俺が締めんのかよ!?
え、えーっと、えー、あー、アレだ、その……これからも、応援ヨロシク。
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四之宮 稜平
忘れられない思い出がある。 あの頃の俺はまだホントにガキで、不器用で、非力で。 泣いてるあいつをなぐさめるどころか、ますます泣かせちまうことしか出来なかった。 島を離れることになったときも、言いたいことは山ほど胸の中にあったけど、結局ひとつも言葉には出来なくて。 大きくなったらもうちょいましになるかと思ってたけど、身体だけはデカくなった今も、不器用で非力で、肝心なとこで何も言えないってとこは変わんねェまま。 言いたいことは沢山あるけど、いつもうまく言えなくて、なのに思ってるのと反対のことだけはぽんぽん口から出てくる。 言えなかった言葉とか、届かなかった気持ちとか。 そういうのってホント、どこに行っちまうんだろうな。 そんな言葉や気持ちが、いつか届く日がくりゃあいいのにな。
龍之介
史桜やにーちゃんが言うには、オレは「キオクソーシツ」ってやつらしい。 オレはずいぶん沢山のことを忘れちゃってて、何を忘れてるのか、そのことも忘れてる。 稜平も航平もおーせもそのこと心配してくれて、オレのキオクが戻るよーに、色んな方法とか考えてくれる。 だけど。 オレは、忘れていることを思い出すのが怖い。 別に、イヤなことを思い出すかもしれないとか、思い出すことそのものが怖い、とかそーゆーんじゃなくって。 オレのキオクは、史桜を幸せにするかな。 全部を思い出しても、オレはまだ史桜と一緒にいられるかな。 オレのキオクが戻っても、史桜はずっと笑っててくれるかな。 オレ、それだけが心配だ。
古城 孝明
最近、妹は四之宮たち兄弟と仲がいいらしい。 夕食時など、よく彼らの話題が出てくる。 四之宮航平とどこかに行った、だの、四之宮稜平とケンカした、だの、四之宮蒼やあの家庭教師の渓くんの話題も出てくる。 最初のうちは、妹のそんな日常の話を聞くのが楽しみだったし、微笑ましいと思っていたんだが。 最近は、妹が四之宮たちの話をするのを聞くのが辛い。 いずれ、妹も家族以上に大切に想う相手と出会って、その男のものになるんだろうか、とか。 そしてそれは、そう遠くない未来なんだろうか、とか。 そんなことを思うと、妹の話に耳をふさぎたくなる。 妹にふさわしい恋の相手、なんてあまり考えたくない。 そして、そんなふうに考える自分に。 俺自身が一番、驚いている。
四之宮 渓
昼間、読書の途中でつい睡魔に襲われてうたた寝をしたら。 珍しく、子供の頃の夢を見た。 まだ俺たちが両親と、この島に住んでいた頃の夢だ。 ときどき考えることがある。 もし俺たちがこの島を離れることなく、あのままずっと平和にここで暮らしていたとしたら、俺は今とは違う俺になっていたんだろうか、と。 親戚の家に行くことが決まったとき、幼い双子の弟たちだけは別の家で引き取ろうかという話も出たが、俺がそれだけはやめてくれと全力で反対した。 名目上の保護者はいても、弟たちを守るのは自分の役目だと思ってきたし、なんでも一人で決断して、誰にも頼るまいと思っていたから、常に強くあろうとしてきた。 いつでも冷静を心がけて、平常心を意識して。 だが、この島に戻ってきて、最近それが微妙に崩れつつあるような気がしてならない。おそらくは、彼女のせいだ。 彼女といると、何故か動揺して、どうも平常心が保てない。 もし、俺たちがずっとこの島を離れることなく、ここで暮らしたままだったら。 そして、何か違うきっかけで彼女と出会っていたとしたら。 俺は、彼女にどういう態度で接していたんだろう。
四之宮 蒼
今日も史桜をからかって遊んだ。 ほんと、あの子は面白い子だね。 からかい甲斐があるっていうか、いじめ甲斐があるっていうか。 見てて飽きないよ。 教室の窓から外を眺めてると、ときどきリョウやコウと話しながら歩いてたり、体育の授業してる姿なんか見かける。 あの子は何やってるときでもホント、一生懸命だよね。 そんなの見てるだけでもなんかこう、身体の中が浄化されてくって感じ? 気がつくとこっちまで笑顔になってたりしてね。 あの一生懸命さに、実はけっこう癒されてたりするけど、史桜にはどうもうまく伝えられない。 ま、僕がそんなこと言ったところで、どうせ信じやしないだろうしね。
2008/10/18
四之宮 航平
僕には生まれたときからライバルがいて、いつでも何をするときでも、ずっとそのライバルと一緒だった。 でも、僕はそのライバルのことがすごくすごく好きだったから、一緒にいるのが当たり前だと思ってたし、比べられたりするのも別に全然、苦じゃなかった。 最近になってからだ。 ライバルだと思ってるのって実は僕のほうだけかも、なんて思うようになったのは。 向こうは僕のこと好敵手だなんて思ってなくて、実は僕のほうが一方的に負けてるのかもしれない、って。 最近の僕って、男らしくないことでくよくよ悩んでて、情けないなあって思う。 好きな子に、自分がふさわしくないかもしれないって思ったときって、男ってどうするべき? 僕は、このままの僕でいいのかなあ……。
2008/10/17
オレ、今日は真面目な話をする。 オレは、風呂がキライだ。 あんなもの、なんで入らなくちゃいけないのかわからない。 なのに、史桜は毎日入る。 にーちゃんも、ときどきは入るのサボろうとするけど、史桜に 文句言われて、結局は毎日入る。 そんでオレも、イヤだって言っても史桜に「ダメ!」って怒られて、 最後は入んなきゃいけなくなる。 たまに、入ったフリして足の方だけお湯かけてすぐに出てみるけど、 なんでか史桜はすぐに気付いて、ちゃんと頭まで洗わなきゃダメ、って 怖い顔してみせて、またオレのこと風呂場に押し戻す。 オレはすごく不思議なんだけど、史桜はあんなに長い時間、 風呂の中で何してるんだろう。 ばしゃばしゃってお湯かけて、ざばって入ってすぐに出て、 頭洗って顔洗って身体ごしごししても、かかる時間って、大体 10分くらいだ。 なのに史桜は、ずーっと長い間、風呂場から出てこない。 1時間くらい出てこないこともある。 この前、史桜が風呂の中で何してんのかどーしても気になって、 見てみようとしたことがある。 史桜、もっっっっのすごい声で悲鳴あげて、オレ、 お湯かけられた。 そんで、それからずっと口きいてくんない。 やっぱ、オレは風呂が嫌いだ。
2008/10/16
本棚を整理していたら、学生時代に明人と撮った写真が出てきた。 自分で言うのもなんだが、俺が友人と一緒に写っている写真なんて珍しい。 この写真も確か、俺がいいと言うのにあいつが勝手にセルフタイマーをかけて、「まあ、いいからいいから」などと笑いながら並んで撮ったものだったっけ。 あいつはどうも人を乗せるのが上手くて、気がつくとつい、気を許して余計なことまで何でも話してしまう。 おかげでずいぶん色々と、口を滑らせてしまったような気もするが……。 だが、ずっと誰にも言えずにいたことを打ち明けられて、少し楽にはなったかもしれない。 懐かしい写真をみつけたついでに、昔のアルバムを引っ張り出して開いてみた。 子供の頃、新しい家族になったばかりの頃に皆で一緒に撮った写真や、俺の卒業式、妹の入学式、誕生日、家族旅行。 俺の隣には、いつも妹が一緒に写ってる。 俺の隣にはいつも妹がいたことを、改めて思い知らされる。 俺のことを無邪気に兄として慕ってくれる妹が。 そういえば、もうずいぶん長いこと、妹と写真なんて撮っていないな。 久しぶりに、兄妹2人で記念写真でも撮ってみようか。
2008/10/15
どういう経緯でこの状況に至ったのかは、面倒なので割愛するが。 今、俺の教え子である例の彼女が、うちのキッチンに立って、弟たちの代わりに夕食の支度をしている。 俺は他人を家に上げるのが嫌いだし、自分のテリトリーに家族以外の人間が入ってくることにも嫌悪感がある。 なのにどうして、彼女とだけはいつもこういう展開になってしまうのか。 何故だか、うちの弟たちも彼女がうちを訪ねて来ることを、すでに半ば当然のように思いつつあるようだし。 いつの間にか、ごくごく自然に我が家に溶け込んでいる彼女という存在が、とても不思議だ。 今まで兄弟四人の暮らしで不便だと感じたこともなかったし、蒼や航平が言うように、男所帯は殺風景だとか、華やかさがないなんて感じたこともない。 だが、今こうして、手際の悪いぎこちない手つきで包丁など使っている彼女の後ろ姿を見ていると。 まあ、確かに。 家の中に女の子がいる光景というのも、悪くはないかもしれない、とは思う。
2008/10/14
僕、なんだか最近、溜息ばっかりついてるような気がする。 別にイヤなことがあるわけじゃないし、毎日すごく楽しいんだけど。 学校に行くのも好きだし、友達と話すのも大好きだし、楽しいことばっかりなんだけど。 だけど、なんだか、なんていうか……。 自分の中で何かが起きて、ドキドキしたり、急にテンション上がったりして、なんだか自分の気持ちがうまくコントロール出来ない感じ。 仲の良い友達だって思ってた子が、ある日突然きらきら輝いて見えちゃったりとか、そういうことってよくあるのかな。 普通の友達だった子が、たった一人の”特別”になっちゃうとか。 何がきっかけってわけでもないんだけど、気がついたらそうなってた、なんてこと。 無意識につい目で追っちゃうし、こっち見てくれるとすごく嬉しくて、なのにどぎまぎしてつい目をそらしちゃったりとか。 ほんと、変。 なんか、魔法にでもかかったみたいな気分。 でも多分、そんなふうに感じてるのは僕だけだよね。 向こうは僕のこと、特別だなんて思ってないと思う。 ああ、そっか。 だから溜息ついちゃうのか、僕。
2008/10/10
優しくしたいんだけど、うまく出来ない。 怖がられて逃げられる。 怖がらせたいわけじゃねーのに、そーゆー言い方しか出来ない自分に腹立つ。 コウはいいよな。 あいつ、なんでもストレート直球勝負が取り得だもんな。 よくフツーの顔してさらっとそんなん言えるよな、みたいなセリフを平気で連発するもんな。 俺も、自分じゃけっこう直球で言ってるつもりなんだけど。 アレか。直球の意味が違うのか。 困ってる顔とか、落ち込んでる顔とか見たくないから、なるべくそばにいてやりたいし、助けてやりたいんだけど。 どうしたらいいのかわかんなくて、かえって傷つけたり、怖がらせたりしてんのかもしれない。 俺ってホント、肝心なときに何も出来ねェ。 そういう自分に、腹が立つ。
2008/10/09
定例の散歩コースを巡回してたら、見覚えのあるようなないようなちっちゃい男の子に、声かけられた。 女の子のみならず、ついにこんな小さな男の子にまで僕のファンが……!? とか思って、一瞬焦ったけど。 どうやらその子は史桜の知り合いみたいで、「史桜ねーちゃんがどうのこうの……」って一生懸命背伸びしながら、僕に話しかけてくる。 ま、史桜の知り合いなら僕の知り合いも同然、ってことで、しばらく話し相手になってやったけどさ。 と、いうか、予想以上に史桜のボケっぷりで盛り上がって、つい意気投合して話し込んじゃったけどさ。 お互いが持ってる史桜のおもしろエピソードを披露し合って盛り上がってたら、稜平が迎えに来たんで、そこで別れて帰ったけど。 で、今さら言うのもなんだけど…… 誰だっけ、あの子?
2008/10/08
今日はひとりで留守番だ。 つまんないから、史桜の好きなとこいくつあるか、数えてみた。 えっと、まずはやわらかくてあったかいとこ。 あと、いい匂いがするとこ。 世界でいちばんウマいハンバーグ作ってくれるとこ。 ちょっと笑いながら、幸せそーな顔して寝るとこ。 他にもまだまだいっぱいあるな。 ソファでごろんごろんしながら考えてたら、なんか眠くなってきて、気がついたらそのまま寝てた。 どれくらい寝てたのかわかんねーけど、ガチャンって音がして飛び起きたら、ちょうど史桜が帰ってきたとこだった。 オレ、やったー!!と思って、「お帰り!!」って飛びついたけど。 史桜の後ろにはあの黒いにーちゃんがいて、これから勉強するから邪魔するなって言われた。 ちぇっ。 まー、いっか。 オレ、一生懸命勉強してる史桜の真面目な顔も、けっこう好きだ。
2008/10/07
牛乳が切れていたので、コンビニに買いに行ったら。 そこでまた、マンガ雑誌を立ち読みしている四之宮稜平を見かけた。 彼とこのコンビニで会うのは、これで二度目だ。 生活行動範囲が重なっているんだから、それはまあ不思議ではない……んだ、が。 先日、ここで彼と遭遇したときには、俺の心の準備不足で、まともな会話が出来なかった。 その後の家庭訪問でも、ついうっかり渓くんとの議論の方に熱中してしまい、肝心の彼本人とはろくに話が出来ずじまいだった。 担任として、この状況はやはりよろしくないだろう。 ちょうどいい機会だ。 とりあえず担任教師として、学校には慣れたかどうか、授業の進み具合に問題はないか、何か困っていることや相談したいことはないか……その程度のことは聞いてみよう。 ……と、決意したんだが。 な、なぜこんなに話しかけづらいんだ、四之宮稜平。 ただマンガ雑誌を立ち読みしているだけなのに、全身から漂うその「俺に気安く近寄るな」というオーラはなんなんだ……!? 逡巡している間に、彼は目当ての雑誌を読み終えたらしく、あくびなどしながら俺には気付かずコンビニを出て行ってしまった。 俺は彼の担任教師だというのに、ただ話しかけることすらこんなに困難だなんて……!! 少し、自信を失いそうだ……。
2008/10/06
いいお天気だったから、学校の帰りに、史桜ちゃんと桜公園に寄り道した。 リョウも一緒に行こうよ、って誘ったけど、「行かねー」って言って先に帰っちゃった。 ほんとは一緒に来たかったくせに、素直じゃないんだから。 公園の中を散歩してたら、成川ちゃんの弟の、悠くん、だったかな? あの子に会った。 同じ年くらいの女の子に囲まれて、一緒に砂遊びしてたみたい。 史桜ちゃんを見るなり悠くんは大慌てで駆けてきて、「違うからっ、この子たちはただの友達だからなっ!!」って言い訳してた。悠くんって、ほんとに史桜ちゃんのこと好きなんだなー。 史桜ちゃんはわかってるのかわかってないのか、「悠くんってモテるんだねー」なんて言って、無邪気に笑ってたけど。 そのあとは、せっかくだから一緒に遊ぼう、ってことになって、悠くんたちとかくれんぼしたり、鬼ごっこしたりした。 久しぶりに子供に返って、けっこう本気で遊んじゃった。 悠くんが史桜ちゃんになつく気持ち、わかるなあ。 だって、僕だって一緒にいると楽しいもん。 悠くんたちと別れたあと、史桜ちゃんに「楽しかったねー」って言ったら、史桜ちゃんもすごく嬉しそうに「うん」って言って笑ってた。 今日はいい日だったな。
2008/10/04
どういう心境の変化だか知んねーけど、コウが急に「何か部活やろうかな」なんて言い出して、そんで俺にも「リョウは何かやらないの?」なんて聞いてくる。 部活ねぇ。 そういや、そーゆーのに一度も入ったことねーな、俺。 バスケとか好きだけど、別にわざわざ部活入ってまでやりたいとも思わねーし。 つか、俺の場合、何故か一日がやたらと忙しくて、あんまりそんなことやってるヒマがないっつーか……。 昼休みにそんなことぼーっと考えてたら、ちょうど近くで成川とくっちゃべってた古城と目が合った。 ただ目が合っただけなのに、怯えたよーな顔して、なんで睨むの、とかぬかしやがるから、「睨んでねーよ!」って言い返して、ついでに「お前、なんか部活とかやってんの?」って聞いてみた。 そしたら、あいつの答えはなんと「演劇部」だと。 ……えんげきぶ。 無理。 どう考えても俺には無理だ、それは。 一瞬、ちらっとだけ「そーゆーのもアリなのか?」って考えたけど、雑誌の星占い見たら「無理は禁物」とか書いてあったし、やっぱやめとくことにした。 何事も、無理はよくねーよな……うん。
2008/10/03
ヒマだったから、何か新しい趣味でも持とうかなーと思ってさ。 アクセサリー作りなんていいんじゃない、と思って、銀粘土っていうの? あれ買ってきた(正確には、リョウに買いに行かせた)。 僕がガスコンロやら電子レンジやら使うって言うと、渓や弟たちが何故か全力で止めに来るから、あいつらの留守を狙って制作に取り組んでみたんだけど。 自分で言うのもなんだけど、これがまあ、いい出来でさ。 素人が初めて作ったとは思えないハイクオリティ。 僕ってほんと、何やらせても完璧にこなすよね。 ときどき、自分で自分の才能が怖くなるね。 そんなわけで、優美かつ繊細で気品溢れるシルバーリングが出来たから、史桜にでもやろうかと思ってさ。 制服のポケットに放り込んで、一応、学校には持って行ったんだけど。 ……なんか、本人を前にすると、あげる口実がみつからなかったんで。 ちょうど目の前を古城先生が通りかかったから、先生経由で渡しといてもらうことにした。 ま、ちゃんと渡してくれるかどうかは、イマイチ微妙だけど。
2008/10/02
今日は、例の弟たちの同級生の少女の、家庭教師をする日なんだが…… 正直言って、気が重い。 これからあの家を訪問することを考えると、思わずため息が漏れるほどだ。 彼女の家を訪れる日は、普段の3倍は疲労する気がするのは何故なのか。 消費するカロリー量に至っては、普段の3倍どころではないような気さえする。 あのうっとうしく暑苦しく面倒くさい兄貴の相手をするのが、厄介だというのも勿論あるが。 あの兄貴が不在だったとしても、普通に彼女の勉強を見てやっているだけで、帰宅する頃には何故だかぐったりするほど疲労している。 これがどういう理由からくる疲労なのか、自分なりに分析してみたんだが…… わからん。 理解不能だ。 ただ勉強を教えに行くだけで、どうしてこんなに疲れるのか。 自分で考えても不思議だ。 そして、それよりもっと不思議なのは。 それが決して、不快な疲れではない、ということだ。
2008/10/01
オレ、史桜とケンカした……。 史桜とずーっと一緒にいたくて、学校行くのも遊びに行くのもぜーんぶついて行こうとしたら、史桜にダメって叱られた。 やだやだやだーっ!!って暴れたら、史桜、オレのこと置いて行った。 で、オレ、頭にキタから、家出してやった!! でも行くとこなくて公園にいたら、稜平と会った。 史桜に叱られたこと話したら、「そりゃあお前が悪い」って呆れた顔して言われた……。 でもオレ、ほんとにほんとに史桜のこと好きなんだ。 大好きだから、ずーっと一緒にいたいんだ。 オレ、史桜がいてくれたら他にはなんにもいらないって稜平に言ったら、稜平は「その素直さが、ある意味うらやまし……いや、なんでもねー」って言って、困ったような顔して苦笑いしてた。 家に帰ったら、少しして史桜も帰ってきて、置いてってごめんね、って オレにお土産のタコ焼きくれた。 うん、やっぱオレ、史桜の笑った顔、好きだ。 声もしゃべり方も全部、ぜーんぶ好きだ。 ずーっと一緒にいたいって、そう思うんだ。
2008/09/30
言いたいことも、言わなきゃいけないことも沢山あって。 けど結局、うまく言えなくて。 まあいいか、っていつもごまかすのがクセになってる。 昔からそうやってきたから、今更、本当の気持ちなんてなかなか口に出せやしない。 朝からちょっと調子悪くて休んでたら、兄貴が何か要るものはあるかとか、水は、薬は、なんて色々と気にしてくれた。 あの人も素直じゃないから、顔は相変わらず無愛想なしかめ面のままだったけどさ。 ソファで横になってたらいつの間にか寝ちまって、目が覚めたとき兄貴は出掛けてていなかったけど、身体の上にはタオルケットがかかってた。 いつも感謝してるよ、なんて兄貴に言ったら、あの人、気味悪がるだろうから。 だから、絶対に言わないけどさ。
2008/09/29
今日は四之宮たちの家に家庭訪問に行ってきた。 なんというか、とても疲れた、色々な意味で……。 四之宮(主に稜平の方)には、強く生きていって欲しいと心から思った。 今夜の食事当番は妹なので、夕飯の支度は任せて、リビングでナイター中継を見ていたら。 台所からすごい悲鳴が聞こえてきて、飛び上がった。 何事かと駆けつけたら、台所の隅っこで包丁を握り締めたまま硬直している妹の姿と、黒くてすばしっこい例のヤツが三角コーナーの陰に潜んでいるのが目に飛び込んできた。 すぐに殺虫剤で退治してやったが、妹はヤツに驚いたときに包丁で指を切ったらしく、血が出ていたから、バンソウコウを巻いて手当てしてやった。 ついでに、今夜の食事当番は俺が代わろうと言ったら、「迷惑かけてごめんね」としょんぼりされてしまった。 こんなのは迷惑のうちに入らないし、謝る必要もない。 むしろ、もっとどんどんわがままを言って、迷惑をかけてくれればいいと思う。 お前にかけられる迷惑は迷惑とは思わないと言ったら、妹はようやく笑ってくれた。
2008/09/26
渓のヤローがねちねちとしつこくうるせーから、コンビニに抹茶プリン買いに行った。 ちょうどマンガ雑誌の発売日だったんで、ついでに立ち読みしてたら、古城先生に声かけられた。 つか、なんか言いたいことがあるよーなないよーな微妙な顔して、じいっと俺の顔見てるから、「なんか用ですか」ってこっちから言ったら、俺と古城(妹の方な)は特別に親しいのかどうかとか、そんなよーなことをもごもごとわかり辛く、すげー遠回しに聞いてきた。 いや、別に、フツーだし。 つか航平の方が多分、俺より仲いいと思うけど。 って答えたら、「そうか、それなら別に……」みたいなことを、またぼそぼそとすっげーわかり辛く呟いてた。まあ、古城のことを色々と気にかけてんだなってのは、ものすごく伝わってきた。 先生として、ってより兄貴として、古城先生はあいつのこと大事にしてるよな。 ってか、ちゃんとフツーにいい兄貴だよな。 長男という名のうちの絶対君主も、せめてこの10分の1でも人間らしけりゃいいのに、とは思う。 そういえば、別れ際に前から気になってたこと、古城先生ってなんで授業んときいつも白衣着てるんですかって聞いてみた。 先生の答えは、「チョークで袖が汚れるから」だった。 先生、今着てんの半袖だけど、ってツッコもうかと思ったけど、やめといた。 やっぱ、兄妹揃って天然だったか。
2008/09/25
今日は厄日だ。 朝から双子はテレビのチャンネル権がどうとかでくだらん言い合いをして騒々しいし、蒼のことで呼び出しは喰らうし、用があって出掛ければあのうっとうしく暑苦しい歴史教師と鉢合わせして、何故かスーパーの閉店セールに付き合わされる羽目になるし。 おまけにそのあと、その歴史教師の妹ともばったり会って、気がついたら公園で彼女のおしゃべりにまで付き合っていた。 どうも俺は、あの兄妹といるとペースが乱される傾向にあるらしい。 以後、気をつけよう。 そういえば、彼女が「渓さんって大学で何の勉強してるんですか」などと聞くから、「建築関係だ」と答えたら、すごい勢いで驚かれた。 俺が建物の設計を勉強するのがそんなに意外か。失敬な。 そうだ、もうひとつあった。 そろそろ帰るかと腰を上げかけたら、妙に落ち着きのないちんちくりんなガキが飛びついてきて、「史桜から離れろ!」と大声でわめかれて、あやうく噛みつかれそうになった。 本当に、今日は厄日だ。
2008/09/24
お昼休みにクラスの友達と話してたら、「航平ってなんか部活とかやんねーの?」って聞かれた。 部活かあ。 前の学校でも、特に何もやってなかったんだよね。 うちってちょっと事情が特殊で、今まで転校が多かったからっていうのもあるし。 僕自身が、特にやりたいこともなかったから、っていうのもあるし……。 ちょうど隣にリョウもいたから、「リョウは何か部活やらないの?」って聞いたら、「やらねー面倒くせー」って即答された。 まあ、そう言うだろうなーとは思ってたけどさ。 リョウがやらないのに僕だけ部活動するのもなんだかなー、って思って悩んでたら、蒼兄ちゃんが「リョウはリョウ、お前はお前なんだから、したいことすればいいんだよ」って珍しくまともにアドバイスくれた。 うん……わかってるんだけど、僕とリョウって小さいときから何でも2人一緒だったから、「僕だけ」ってすごく違和感あるっていうか、抵抗感あるっていうか。 でも、いつまでもそんなこと言ってられないんだよね。 僕とリョウは違う人間なんだし、なんでも一緒ってわけにもいかないよね。 やっぱり、せっかくだから何か始めてみようかな。 とりあえず手始めに、演劇部でも見学に行こうかなあ……。
2008/09/22
今日はオレ、史桜に頼まれて買い物に行った!! 史桜になんか頼まれんのって、すげー嬉しい。 ほんとは昨日にーちゃんに頼んでおいたのに、にーちゃんは頼まれたもの買い忘れたんだって。 ダメなにーちゃんだな!! 頼まれた買い物メモ持って、いつもの商店街に行ったら、オッチャンやオバチャンがよく来たねって言って、いっぱいオマケしてくれた。 買い物終わって帰ろうとしたら、公園んとこに稜平と航平がいた!! 2人でボール蹴って遊んでて、楽しそうだったからオレも一緒に遊んだ。 すっげー楽しかった!! 夕方になったから稜平たちと別れて、家に帰ったら、史桜が「どこ行ってたの!?」って飛び出してきた。 帰るの遅くなっちゃったから、心配させちゃったみたいだ。 おまけに「頼んだ買い物は?」って聞かれて、手見たら、オレ、なんにも持ってなかった。 どこにやったんだっけー?って考えてたら、ピンポーンって鳴って、史桜が玄関開けたら、稜平が仏頂面して、オレの買ったもの持って立ってた。 オレが公園に置いてきちゃったから、届けてくれたらしい。 稜平はいつもおっかねー顔してるけど、結構いいヤツだ。 史桜が稜平に「ほんとにごめんねー!」って何度もぺこぺこ謝って、オレは稜平に「手間かけさせんなよ」って怒られた。
2008/09/19
以前に担任を受け持っていた生徒から、進路のことで相談を受けた。 希望の進路をご両親に反対されて、色々と悩んでいるらしい。 精一杯、出来る範囲で協力しようとは答えたが、俺はまだまだ教師としては力不足だと痛感する。 そういえば、妹とまだそういう話をしたことはないが、あいつにも何か希望の進路や、将来就きたい職業といったものがあるんだろうか。 まだまだ先の話だし、今は友人と楽しく充実した日々を過ごすことの方が大切だとは思うが…… もし、妹がまだ誰にも話していない大切な夢を持っていて、それをそっと胸に抱いているのだとしたら。 そして、いつか俺にそれを打ち明けてくれたとしたら。 妹が俺にそうしてくれたように、俺も妹がどんな道を選んでも、全力で応援しようと思う。 それが、あいつのために俺がしてやれる、最良のことだと思うから。 追記:妹に頼まれた買い物メモ。 ※帰りに忘れず買って帰ること。 ・米(10kg) ・ミネラルウォーター ・洗剤
2008/09/18
朝6:00起床。 アホ面で惰眠をむさぼる双子の弟どもを叩き起こして、朝食を作らせ、学校へ送り出す。 いつものように、蒼は放置。 あいつは適当な時間に勝手に起きて、登校する気なら勝手に行くだろう。 引越しに関する手続きがまだいくつか残っていたので、午前中は島の役場へ。 必要な書類を提出して、午後からは書籍の取り寄せを頼んでおいた書店へ行った。 休学中は少しは暇な時間も出来るかと思っていたが、日常の些事に忙殺されて、なかなか自分の時間が持てない。 まあそれも来年、大学に戻るまでの辛抱だから、せめて独学で勉強は続けていようと思う。 夕方からは、ひょんなことから家庭教師をすることになった 弟たちの同級生の家を訪問。 人にものを教えるなんてどう考えても俺の柄じゃないが、親の代から義理のある白河さんのお嬢さんの頼みだから仕方ない。 と、いうか、この俺が見知らぬ他人の少女の家庭教師なんて、我ながらよく引き受けたもんだと思う。 航平は彼女と仲がいいらしく、家でもよく彼女の話題を出して「すごく可愛くて、いい子だよ」などと褒めているが、正直、俺から見ると彼女は可愛いというより、非常に頼りなく、危なっかしい。 ……いや、全く可愛くないと言ってるわけじゃない。 むしろ、解けない問題を前にしたとき、助けを求めて見上げてくるあのすがるような目は、確かに可愛いと言えないこともない。 つまり、何が言いたいかというと…… ま、まあいい。とりあえず、これ以上彼女について言及するのはやめておこう。 いつもどおり、つまずいた箇所を重点的に反復する課題を出して、あのうっとうしい兄貴が帰宅する前に、退出した。 夜は、うるさい弟たちが寝てから取り寄せた本に目を通して、深夜2:00就寝。 今日の行動は、おおむねこんなところだ。
2008/09/17
授業に出るのが面倒だったから、サボって保健室で昼寝してたら、すごい夢見たよ。 史桜が巨大化しちゃって身長57mくらいになって、初音島をのし歩きながら街を破壊する怪獣と戦うって夢なんだけど、その怪獣の方は何故か、リョウだった。 怪獣リョウを操る悪の科学者が渓で、僕は事件を追いかける謎の記者、ってとこ。 史桜VSリョウの戦いはかなり見ごたえ充分で、目が覚めてから保健医にその顛末を話してあげたんだけど、そんなくだらない夢見てるくらい元気なら授業に出ろって保健室を追い出された。 けど、ホント笑える夢だったな。 小説にでもして、出版するかな。
2008/09/16
朝からリョウと渓兄ちゃんが大声でケンカしてて、すごーくうるさい。 毎日毎日ケンカしてて、2人ともよく飽きないよなぁ。 しかも、僕から見ると、ほんとにどうでもいいようなことばっかりで言い合ってるし。 ちなみに、今日のケンカの原因は『昨日の夜、渓兄ちゃんが残しておいたプリンを、リョウが食べちゃったから』だって。 渓兄ちゃんがあとで食べようと思って冷蔵庫に入れておいた抹茶プリンを、リョウが知らずに食べちゃったらしい。 プリンくらい新しく買ってくれば……って言おうかと思ったけど、うかつなこと言うと僕にまでお説教の火の粉が飛んできそうだったから、やめとくことにした。 蒼兄ちゃんはのんきに笑って見てるだけで止める気なさそうだし、良くも悪くもホント、男所帯だよね、うちって。 それで、あんまりうるさいからしばらく外に出てようって思って、図書館に行ったんだけど、そこで、すごーく可愛い小さな女の子と友達になって。 せがまれて、児童室で一緒に絵本を読んであげた。 なんだかすごくなつかれちゃって、帰り際なんていつまでもばいばーい、って手を振ってくれて、嬉しかったな。 ちっちゃい子って、ほんと可愛い。 将来、保育士さんの資格とか取るのもいいかも、なんてちょっと本気で考えちゃった。 で、そんな楽しい気分で家に帰ったら、リョウと渓兄ちゃんのケンカがまだ続いてて、呆れた。 リョウも無駄な抵抗してないで、さっさと謝っちゃえばいいのに。 余計なところで意地っ張りだからなあ。 あ、そうだ。 明日、史桜ちゃんと、成川ちゃんちに遊びに行く約束してたんだっけ。 何かおみやげ持っていくの、忘れないようにしなくっちゃ。
2008/09/12
引越し荷物が片付かねー。 部屋の中にいつまでも段ボールが積んであるとうっとうしいし、何かあるたびにあれがねーとか、あれはどこいったー?とかいちいち大騒ぎするのもメンドくせーから、さっさと片付けたいんだけど。 なんか、やってもやっても終わる気配がねー。 とりあえず食器とか、普段よく使うものは大体出したんだけど蒼の服やら渓の本やらが、うんざりするほど量が多くて…… つーか、よく考えたらなんで俺があいつらの荷物まで片付けてやらなきゃいけねーんだ? ムカついたから、自分の荷物くらい自分で片付けろと渓に言ったら、そーゆーのはヒマな下っ端の仕事だろうと逆に説教された。 俺は下っ端じゃねーと言い返したら、うるさいお前なんか下っ端だとさらに言い返された。 つか、どう考えても俺より渓の方がヒマだろ。 ヤロー、長男だと思って人をいいようにこき使いやがって。 見てろよ。いつか下克上してやる。 まあ、そんなわけで引越し荷物の片付けはとりあえず後回しにして、今日は天気良かったから、朝のうちに洗濯機回して掃除機かけて、そのあと近所のスーパーまで買出しに行った。 そしたら、公園の入り口のとこで古城に会った。 ほやーっとした顔して歩いてやがるからどこ行くんだと聞いたら、「別にどこも行かない、ただの散歩」だと。 相変わらずトロい、とゆーかぼやーっとしたやつ。 つか、俺の顔見るたびにビビったよーな顔すんのはそろそろどーにか…… ……いや、まあ、いいか、そのことは。 そんで、買出しして家に帰ったら、コウが友達に貸す約束してるCDがみつからないとか言って、騒いでて。 しょーがねーから探すの手伝ってやってたら、また渓に「さっさと夕飯の支度をしろ」と怒られた。 なんか……すげー理不尽な感じで過ぎてくよな、俺の一日って。