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裏ブログへ

2010/06/28

またね(稜平&航平) NEW

2010/06/22

もうすぐ(稜平)

2010/06/15

募集中(航平)

2010/06/08

嫌いな季節(蒼)

2010/06/01

家族のいる風景(渓)

2010/05/25

課外授業(孝明)

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またね NEW

2010/06/28

四之宮 稜平&航平

航平:

こんにちは、航平です。
今日まで僕たちの日常の呟きを読んで下さって、ありがとうございました!
僕たちの日々の出来事に少しでも興味を持ってもらえて、
それで僕たちのこと前よりもっと好きになってもらえたら、僕たち、すごくすごく嬉しいです。
僕たちのブログは、これでまたお休みになっちゃうんですけど、でも、前回宣言したとおり、
皆さんの熱い応援のおかげで本当に復活!!出来たし、次もまたまた……なんてことも、
ある……かも!?
リョウも、また更なる新しい季節に皆さんとお会いしたい、って言ってます。
そのためには、ブログでも何でも頑張って書いちゃうそうです!
ねっ、そうだよね、リョウ?

稜平:

へっ!?
いや、えー、あー、だから、その……
わーかったよ、ブログでも何でも書きゃいいんだろ!
だから、これからも……応援、ヨロシク。


もうすぐ

2010/06/22

四之宮 稜平

俺は全然覚えてねーんだけど、コウが言うには、
この島に引っ越してくることに決まって、引越しの準備してるとき、俺は寝言で「もうすぐ会える」って言ってたらしい。
そこだけやけにハッキリした声だったから、驚いたってコウが言ってた。
「どんな夢見てたの?」ってコウに聞かれたときは、覚えてねー、って答えたんだけど。……いや、ホントにどんな夢見てたかは覚えてねーんだけど。
でも、多分こういう夢だったんだろうな、っていうのはなんとなく自分で想像がつく。俺はホントに長い間、待ってたんだよ。
長い長い間、ずっと待ってた。
だから、出来るならあの頃の俺に言ってやりたい。
「ああ、“もうすぐ会える”よ」
ってさ。


募集中

2010/06/15

四之宮 航平

この前テレビでスペシャル番組やってるの観てから、催眠術にハマってて、本とか読んで練習してる。
自分じゃけっこう才能あるかも!?って思ったから、リョウに練習相手になってもらおうと思ったのに、
絶対ヤダって速攻で断られちゃった。
せっかく大空を飛ぶ鳥の気分とか、可愛い猫になった気分とか味合わせてあげよーと思ったのに、
リョウの意気地なし。
でも、誰かが相手になってくれないと、練習の成果がわからないんだけどな。
渓兄ちゃんはどんなに頑張っても催眠術なんかかかりそうにないし、逆に蒼兄ちゃんはかかってるのかかかってないのか、よくわかんないし……
史桜ちゃんや成川ちゃんなら面白がってやってくれそうな気もするけど、女の子相手に練習するのも悪いしなあ。
学校の掲示板に、『練習相手募集中です』って張り紙でも貼ってみようかなぁ……?


嫌いな季節

2010/06/08

四之宮 蒼

昔から大嫌いなんだよね、この梅雨って季節。
じめじめするし、蒸し暑いかと思えば妙に肌寒くもなるし、何よりあのどよ〜んとした灰色の空見てると気分が滅入ってくるし。
家の中に閉じ込められて、窓越しに見る雨粒とか、しとしと降る雨音とか聞いてると、考えたくない不安なことや嫌なこと、つい考えそうになる。……だからさ。
この暗い気分を雨雲ごと吹き飛ばしてやろうと思って、照る照る坊主ってのを作ってみた。
ほら、ちゃんと似顔絵つきなんだよ?
この眼鏡がキラーン、と光ってるのが渓。
細身で優美で繊細で美しいのが、僕。
重さも大きさもソックリ同じに作ったこの2つが、双子くんたち。
最後に多く作りすぎちゃった一個は、花の髪留めを書き足して、あの子、ってことにした。
これを窓辺にずらーっと並べておいたら、雨に閉じ込められた日もちょっとは気分よく過ごせそうじゃない?
どう、照る照る坊主ひとつ作らせても、この完璧な仕事ぶり。
やっぱり僕って、何やらせても天才的だなぁ。


家族のいる風景

2010/06/01

四之宮 渓

俺が勉強を見ている例の少女と、書店で参考書を選んでいたら、
いつの間にか話がそれて、気が付いたら2人でインテリアの雑誌を眺めていた。
彼女は雑誌に載っていた外国の洒落たアパートメントの写真を見て、こんなお洒落な家に住みたい、としきりにうらやましがっている。
うちは古くて狭いからイヤだ、とこぼす彼女に、だが俺は君の家が嫌いではないぞと言ったら、彼女は驚いたような顔をしていた。
別に、お世辞を言ったわけじゃない。
彼女の家は庭や縁側がある昔ながらの古い住宅だが、温もりと安らぎがあって、あの引き戸を開けて玄関を入るたびに、俺はいつも少しだけうらやましいような、懐かしいような、
感傷的な気分にさせられる。
彼女の家は、家族の歴史や、暮らしの息遣いを感じさせる家だ。
幸せの風景というのは、ああいう家にこそあるのではないかと俺は思う。
そして、そういう家で育ってきたからこそ、彼女の現在の性格が培われているのだろうな……とも思う。
俺はそんな家族のいる風景を作りたくて建築の勉強をしているのかもしれない、とぽつりと漏らしたら、彼女は少し驚いたような顔をして笑って、「渓さんならきっと作れますよ」とやけに自信たっぷりに請合ってくれた。


課外授業

2010/05/25

古城 孝明

来週、課外授業で島外の歴史資料館まで、生徒たちを引率して見学に行くことになった。
生徒たちもとても楽しみにしているようで、妹も最近よくそのことを話題にする。
だが、それを聞いていた龍之介くんが、自分も一緒に行きたいと言い出して、正直困った。
妹が必死に、授業だから一緒には行けないんだよ、と説明していたが、
彼が納得したとはとても思えない。
彼のことだから、当日、俺や妹の目を盗んでコッソリ後をついてくるのではないかと思うと心配で、
俺も課外授業の前準備どころじゃない。
いっそのこと、学園長に頼んで彼も特別参加できるように手配しておいた方がいいんだろうか。
いや、他の生徒の手前、彼だけ特別扱いするわけにはいかない。
それに、彼を連れて行ったら俺も妹も一日中振り回されて、まともに課外授業など出来ないだろう。
困った。どうやったら龍之介くんを説得できるか、教師としての腕が試される試練だな……。


中間試験

2010/05/18

四之宮 渓

弟たちの学校ではもうすぐ中間試験が始まるらしい。
双子は放っておいてもまあ問題ないとして、念のため蒼にも「ちゃんと準備はしているんだろうな」と聞いてみたら、いつものようにへらへらっとした口調で「いい点とったら、なんかご褒美でもくれんの?」などと言う。
何故、俺がお前に褒美など出さねばならんのだ。
超低空飛行を続けるお前の成績が、ギリギリのところで赤点を取らずに済んでいるのは、一体誰のおかげだと思ってる。
褒美があるなら、俺の方がもらいたいくらいだ。
まあ、あいつ相手にそんな議論をしても時間の無駄なので、「平均点以下だったら小遣いカットするからな」と脅しておいたら、航平から「それやると蒼兄ちゃん、僕のお小遣い勝手に使うからやめて!」と抗議が来た。
まったく、厄介で手のかかる弟たちだな。
長男というのも楽じゃない。
お前たち、たまには俺に感謝状くらい寄越せ。


ケンカしちゃった

2010/05/14

四之宮 航平

……リョウとケンカした。
悪いのは僕じゃなくて、ぜーったいリョウの方だと思う。
だって、僕が先に始めてたゲームなのに、セーブデータ上書きして新しく始めちゃうんだもん。いくらなんでも、それってひどいと思わない!?
リョウの方から謝ってくるまで、僕からは絶対、口きかない。……って、思ってたんだけど。僕とリョウは2人で1人っていうか、同じときに同じこと考えて同じことしようとしてたり、つまりいつも一緒に何かするのが当たり前で。
同じ部屋にいるのに黙ってるとか、目を合わせずにいるなんて、なんだかちょっと……落ち着かない。
やっぱり、僕の方から謝ろうかなあ。
ううん、ダメダメ。いつもこうやって僕の方から折れるんだから。
今回だけは絶対、リョウに先に謝らせるって決めたんだ。……でも、やっぱり僕の方が悪かったのかな。
ゲームだって、待ちきれなくて先にやっちゃったけど、本当は2人で一緒にやった方が楽しいし。……よし、あと1時間だけ。
あと1時間だけ、怒った顔してよう。
1時間経ったら、さっきはごめんねって言って、それで、一緒にゲームしよって声かけようっと。


サカナの日

2010/05/07

龍之介

このあいだ、史桜とおーせの家に遊びに行ったら、家の屋根の上にでっかいサカナがいた!!
黒いのと赤いのと青いのがいて、大・中・小って並んで空泳いでた!!
オレ、すげー怖かったけど、ここでビビったら史桜とおーせに笑われると思って、平気なフリしてた。

けど、気がついたらおーせの家だけじゃなくて、色んな家の屋根とか庭とかにでっかいサカナが
泳いでる。
前まではいなかったのに、突然現れて、初音島を占領した。
よく見たら、空を泳ぐの気持ちよさそーだ。
ちょっと、背中とか乗ってみたい。
きっと、サカナの日だったんだな。


本当の敵

2010/04/20

古城 孝明

日曜日に、四之宮稜平が、我が家にやって来た。授業の一環で、妹と研究レポートを作成することになったらしい。
学校だけでは作業が終わらないので、日曜にうちでレポートを仕上げることにした(四之宮の家ではうるさすぎて作業がはかどらないらしい)そうなんだが。

正直言って、非常に居心地が悪い。
あの非常識家庭教師が来ているときとはまた一味違う、居心地の悪さだ。
俺は彼の担任教師で、彼は俺の教え子で、妹のクラスメートなのだから、そのつもりで普通に接すればいいと頭でわかってはいるんだが。
な、何故、彼が家にいると、こうも緊張するんだ。
妹にすら、普通に声をかけていいものかどうか、ためらうぞ。

おまけに、すっかり遅くなってしまったので「夕飯でも食べていけ」とカレーを作ってやろうとしたら、
「先生、野菜の切り方が雑」と料理の不手際まで指摘された。

俺はずっとあの非常識家庭教師を敵視してきたが、本当の敵はもしかして違うところにいるのではないか───などと、つい彼に対して失礼なことを考えてしまった。

すまん、四之宮。俺はお前の担任教師失格かもしれない。


生誕記念祭

2010/04/13

四之宮 蒼

うちじゃ、兄弟誰かの誕生日が来ても、特別に何かすることってないんだよね。
パーティなんてしたことないし、バースデーケーキ食べたりなんてこともないし、まあ、気が付いた誰かが冗談混じりに、ふざけたプレゼント渡すことがあるくらい?
なんとなーくその日が過ぎて、2〜3日経ってから思い出したように「おめでとう」なんて言われて、自分でもああそういえば、なんて思い出したりして。そんなわけだから、あの子が急に「蒼先輩の誕生パーティしましょう!」なんて言い出したときは驚いたよ。
冗談だと思ってたら、ほんとにケーキ持ってプレゼント抱えてうちに現れるし。
しょうがないから、あの子の気が済むまでパーティごっこに付き合ってあげた。
ま、嬉しかったか嬉しくなかったか、って聞かれたら、少しは嬉しかったけどね。で、ちなみに史桜の誕生日はいつなの?って聞いたら、まだまだ先です、ってちょっと困ったような顔して笑ってごまかされた。
どうせ、僕に気を遣わせたら悪い、なんておかしな遠慮してるんだろ。
甘いね、史桜。この僕に隠しごとしようなんて100年早い。
史桜の誕生日には、史桜がビックリして赤面して恥ずかしさのあまりその場から走って逃げ出したくなるくらいのサプライズイベント用意するから(っていうかリョウとコウに用意させるから)、覚悟しとけよ?
ま、そのときまで僕が覚えてたら、だけどね。


ぼーっと花を見る

2010/04/06

龍之介

史桜がなかなか学校から帰ってこないから迎えに行ったら、桜公園とこで、航平とベンチに座ってぼーっとしてた。
何してんだ、って聞いたら、「お花見」だって。
ぼんやり座って桜の花をぼーっと見上げること、「花見」ってゆーらしい。
それって面白いのか?って思ったけど、史桜のやることはオレも何でもやりたいから、史桜と航平の間に割り込んで、一緒にベンチで「花見」した。
最初は頑張って花見てたけど、ぽかぽかでぬくぬくでなんか眠くなってきて、気がついたらオレ、寝てたらしい。
史桜にもう帰るよ、って起こされて、目こすって開けたら、航平が「よく寝てたねー」って笑ってた。
結局、「花見」ってナンだったんだ???
オレ、よくわかんないままだったけど、史桜も航平もなんか幸せそうな顔してたから、オレもちょっと楽しくなって、「またしよーな!」って言った。
次の「花見」はにーちゃんも稜平もおーせも航平のにーちゃんたちも誘って、みんなでしよう。うん、そうしよう。


四月馬鹿

2010/04/01

四之宮 稜平

エイプリルフールって、存在意義がよくわかんねーつーか、意味不明なイベントだとマジで思う。あれで盛り上がる奴らの心理がよくわかんねェ。今日、昼休みに学校の廊下で、すっげー緊張した顔の古城に呼び止められた。
あいつ、なんで嘘つくとき“これから私、嘘をつきます!”って顔すんだろうな。
どーせ成川とかコウとかになんか言われて、「エイプリルフールの嘘」ってヤツやりに来たんだろ。
しょーがないから、テキトーに話聞いてやって、まあなんとなく騙されたよーなフリはしてやった。
あいつはすぐにその場で「ゴメン、今の嘘だよ!」って手を合わせて謝ってたけど、いや、最初からそれ、バレバレだったから。
つか、なんで騙すターゲットに俺を選ぶんだ。その時点で明らかに人選ミスだろ。そのあと学校の帰りに寄り道してたら公園とこでポチと会って、また「エイプリルフールの嘘」っつーのに付き合う羽目になった。
だから、なんでお前ら揃いも揃って、騙す相手に俺を選ぼうとするんだよ。
あー、ホント、メンドくせー。……つーか、こうやっていちいち相手してやってる俺が、もしかして一番の四月バカなのか?


戦うぞ!

2010/03/24

龍之介

商店街で史桜に頼まれた夕飯の買い物してたら、花束抱えた女の子が沢山、泣きながら歩いてた。
なんで今日はみんな花持って泣いてんだ?って思って、家帰ってにーちゃんに聞いてみたら、今日は「そつぎょーしき」だったからな、って教えてくれた。
「そつぎょーしき」ってなんだかわかんねーけど、なんか強そうな名前だ。
オレが首ひねってたら、にーちゃんが『秘蔵のアルバム』とかゆーの出してきて、「史桜のそつぎょーしきの写真」ってゆーの見せてくれた。
胸にリボンつけて、花束と長い筒みたいの抱えた史桜が、学校の門の前で目を真っ赤にして泣いてる写真だった。
「そつぎょーしき」のヤツ、史桜まで泣かせたのか……!?
史桜を泣かせるなんて、「そつぎょーしき」は悪いヤツだ。史桜だけじゃなくて、今日も沢山の女の子泣かしてた。
だからオレは、その「そつぎょーしき」っていうのと戦って、やっつけることにした。
心配しなくてもダイジョブだぞ、史桜!
オレ、もう史桜が泣いたりしないように、ちゃんと史桜のこと守るからな!


リサーチ不足か?

2010/03/16

四之宮 渓

俺は常日頃から、あのホワイトデーというやつほど理不尽な慣習は他にないと思っている。
何故、一方的に押し付けられたチョコに対して、礼を強要されなくてはならないのか。
全くもって、理解に苦しむ。
と、いうわけで例年、俺はその手の返礼は一切しない、と決めていたんだが───
今年はまあ、少々思うところがあって、ある一人にだけはホワイトデーの返礼とやらをすることにした。だが。ショッピングセンターで彼女への返礼の品を探していたら、運悪く、彼女の兄である過保護歴史教師とばったり鉢合わせしてしまった。
どうやらあのうっとうしい兄貴もホワイトデーに妹に渡す品を買いに来たらしい。それはいいんだが、奴が手に持っていたのはなんと、『雪見せんべい』だった。
信じられん。
ホワイトデーだぞ。
俺が事前にリサーチしたところによると、ホワイトデーに渡すものといったら焼き菓子やキャンディ、マシュマロなどが一般的だろう(もちろん俺は、年代別の人気ブランドランキングなども完璧にリサーチし、把握している)。だが、しかし。
彼女は普通の少女とは少々感覚がズレているところがあるから、もしかして、ああいうものの方が好みなのか───!?
いや、惑わされるな。自分を信じろ。あれはおそらく俺を陥れるための奴の計略だ。ふっ、その手には乗るものか。残念だったな、シスコン教師。


頑張ってみれば?

2010/03/09

四之宮 蒼

この前の休日、久しぶりに遊園地ってやつに行ってきた。
史桜がどーしても来て下さい、って言うから行ってあげたんだけどさ、僕だけ呼び出されたのかと思ったら、残念ながら双子の弟たちや古城先生までみんな同時に呼ばれてて。
遊園地のゲート前でバッタリ、大集合だったんだけどね。
けどまあ、遊園地なんてホント久々で、楽しかったよ。
僕たちを呼び出した当人のあの子が、朝から渓につかまって大遅刻、なんてハプニングもあったけど、最後にはちゃんと合流して、パレードや閉園間際の花火まで一緒に見たし。───で、ちょっと疑問に思ったんだけど。
僕や双子や、古城先生たちまで呼び出したのに、渓だけ遊園地に呼ばなかったのはどーゆーわけ?
次の日、学校であの子に会ったときそのこと聞いてみたら、あの子の顔からサーッと血の気が引いて、「忘れてました……!!」なんて今更パニック起こして。
どうしたらいいんでしょう、なんて聞かれたから、次のテストで100点でも取れば許してくれるんじゃない、って答えたら、ますます青くなって慌てふためいてた。
ホント、あの子はからかい甲斐がある子だよね。
ま、無理は承知で、頑張るだけ頑張ってみたら?


ひな祭り

2010/03/02

古城 孝明

部屋で調べものをしていたら、リビングから大きな物音が聞こえてきた。
何事かと思って見に行くと、妹がひな人形を飾ろうと一人で悪戦苦闘している。
遠慮しないで声をかけてくれれば、それくらい手伝ってやるのに。
1人でやるより2人でやった方が早いだろうと、緋毛氈を敷いた壇の上に適当に人形を並べていったら、妹は順番が違うよ、と言う。
俺にはどれも同じように見えるんだが、ちゃんと決まった並び順があるらしい。
そんなものよく覚えていられるな、と感心したら、毎年飾っているうちに覚えてしまった、と妹は笑っていた。
そういえば、このひな人形は妹がまだ小さいときからずっと家にあるものだったな。毎年この季節になると、お袋と2人で楽しそうに話しながら、ひな人形を並べていたっけ。
俺はずっと家を離れていたから、こんなふうに妹とひな人形を飾るのも久しぶりだ。
飾り付けが終わったら、妹が「手伝ってくれてありがとう」と甘酒をご馳走してくれた。
あの甘くてどろりとした飲み物はあまり得意じゃないが、年に一度、妹の笑顔を見ながら飲む甘酒はなかなか悪くないものだな、と思った。


君と過ごす休日

2010/02/23

四之宮 航平

あー、どうしよう。着ていく服が決まらない!!

今度のお休み、古城先生の引率でポチくんも連れて、みんなで島の外に
遊びに行くことになったんだけど。
初音島の外に出るのも久しぶりだし、みんなで出掛けるのも久しぶりだし、
おまけに古城先生の知り合いや、僕たちと会うの楽しみにしてくれてる沢山の人と会うみたいだし。
なんか緊張しちゃって、今からドキドキしてる。
おまけに、なに着ていこうかなあってクローゼットの中を覗いたら、僕って春先に着る服、
全っ然持ってないことに気が付いた。
そういえばこっちに引っ越してきたときに古い服とか思い切って大量処分しちゃって、
そのまま買ってなかったんだよね。
せっかくだから、春らしい色の動きやすい服とか、欲しいなあって思ったんだけど……どうだろう、
島の外って寒いのかな。あんまり薄着しない方がいいかな。
でもせめて雰囲気だけでも春っぽくしたいしなー。

うーん、どうしよう。ホントに悩む!!
あとで、リョウにも相談してみよ。


ユウウツな季節

2010/02/19

四之宮 稜平

……今年もまた、ユウウツな季節がやってきた。
毎年、この時期になるとコウや蒼が山程もらってくるチョコで、家中が占領される。
食いきれもしねーのに、こんなにもらってきてどーすんだ。
コウは「せっかくの気持ちなのに申し訳なくて断れない」とか言うし、蒼は「くれるってモノは一応もらっとかないと」なんて無責任なことを言う。
渓は基本的に誰からも受け取らねーけど、それを見越して家に直接郵送してくる猛者(アホとも言う)が多いこと多いこと。
挙句の果てにあいつら、それを全部俺に押し付けて、お前がどうにか処分しろとかほざく。
冗談じゃねー、なんで俺がって言い返したら、奴ら口を揃えて「自分がもらえないからってひがむんじゃない」とか抜かしやがった。
もらえないんじゃない、俺は断ってんだ、お前らと違って!!

でも、今年は一個だけ受け取った。
どうしてもって言うから、仕方なく。
手作りなんだよー、なんて得意げに笑って、すげー不細工なチョコよこしやがった。
手作りじゃなくて溶かして固め直しただけだろ、って思ったけど、
それ言ったらまたケンカになると思って、言わずにおいた。
まあ……眺めてる分には飽きないよな、と思った。




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